「とある窓拭き野郎が生きる意味」ってタイトルの小説を出版しました。
Kindleで本を出版しました。「とある窓拭き野郎が生きる意味」ってタイトルの窓拭き小説ですね。
これは缶コーヒーよりも安い100円です。
文字数も6000文字くらいでサクッと読めるので、暇な時間に買って読んでいただけると幸いです。
(紙の本に直すと15ページらしいです)
Kindleを買ったことがないって人に向けて、記事の最後にKindleアプリのダウンロード方法を書いておきました。
Kindleアプリ、無料なんでマジいいですよ。持ってない人は、この機会にダウンロードされることをおすすめします。
☆☆☆
えー、なんでこの本を出版することになったかというと、それは勝負をすることになったからです。
知り合いのゆーじみやもととWinston氏と出版勝負をすることになったので、この本を書きました。
んで、何を書こうか最初は迷ったんですよ。もちろん自分が書く以上は窓拭きのことなんですけど、そのテーマに悩みました。
窓拭きをテーマにした小説は今日まで2本書きましたからね。「とある野郎のハードボイルドな1日」と「とある野郎の憂鬱」の2本を。
とある窓拭き野郎のハードボイルドな1日 - ホーリーの窓拭き日記
んで、今回は何を書こうかと思ったんですけど、テーマは「ガラス屋として生きる意味」にしました。
ガラス屋、窓拭きのプロとして生きる意味ってなんだろう?って、最近考えることがあるんですよ。
まあそれって人生そのものの意味に繋がるんで、本質的には考える事自体ナンセンスだと思うんですが、ちょいちょい頭をよぎるんですよね。
僕は、窓を拭くっていう行為そのものには、付加価値なんてないと思うんです。
誰がやってもまた汚れるものだし、綺麗の度合いっていうのも、素人目線では大差ないしょう。
だから価格競争にも巻き込まれるし、業界全体の売上規模は縮小の一途を辿ってるんだと思ってます。
でも窓拭きに夢中になる人って多いじゃないですか。てかガラス屋なんて人種は、好きでやってる人の比率が高いでしょう。
だから思うんですよね。自分も夢中になった窓拭き、そのプロとして生きる意味ってなんだろうと。
あ、最初に断っておきますけど、この小説にその答えは書いてませんよ。
自分が悶々としてることを、そのまま書いただけなんで、明確な答えは用意されていません。
ただただ、最近自分が思ってることを文章に書き起こしてみました。
えー、ここで冒頭の触りだけ、紹介してみましょう。以下、実際の小説からの引用です。
元請けのオッサンが来たのは、午後の作業が始まって少したった頃だった。
俺たちが「アンゼンサギョウ」ってやつをやってるのかどうか、ご丁寧にも確認しに来たのだ。
実際にロープの一本も降りたことないだろうオッサン2人が、俺たちの作業風景を見て、あーだこーだと言い始める。
「朝のミーティングはちゃんと行ったのか?」
「安全チェック表は記入されてるか?」
「このロープのセッティングは正しくないんじゃないか?」
全く、人はここまで能書きを垂れることが出来るのかと感心するレベルだぜ。
俺は仕事で窓拭きをしている。ゴンドラやロープを使って、高所のガラスを清掃するあれだ。たまにメディアで取り上げられる仕事のせいか、世間の認知度は高い。
んでこの窓拭きなんだが、最近になって事故が多いらしい。それもあって、下請けの俺たちが、ちゃんと仕事をしてるのか見に来たってわけだ。
しかしまあほんと、ご苦労なこったぜ。
人生で一度も打席に立ったことのないバッターに野球を教わる少年はいないだろう?
それと同じで、やつらの話は、ほとんど聞く価値がない。
何でもそうだが、すでにある物事をより安全に行おうと思ったら、手間がかかるのは当然だろう。
ただ奴らの話は、ザ・机上の空論。あれもこれもと手間を加えようとするんだが、肝心のお金の話にはならないんだよな。
「脚立に登って作業をするときは押さえる人間を付けろ」
おお。言ってることは分かる。脚立を誰かが押さえたところで、安全度がどこまで高まるのかは疑問だが、そうやって、より安全を求める気持ちは分からんでもない。
ただ、それにはより多くの人間が必要になるんだよな。つまりお金さ。お金。
バブルの頃はさておきとして、今どきの窓拭きってやつは、不景気の煽りを受け、必要最小限の人員で作業をすることがほとんどだ。
そんなカツカツの現場で、今よりも手間を加えるのは不可能。もしもそれをやったとしても、今度はその日の作業が終わらなくなっちまう。
そんな「当たり前」のことが、このお猿さんたちには分からないんだよな。
世の中にはサービスを無料だと思ってる馬鹿が多いが、それと同じように、安全も無料だと思ってる馬鹿がいるらしい。
全く、ほんと嫌になるぜ。猿の相手は。
ふてくされる俺の横で、加藤さんが耳打ちをしてくる。
「やべぇ。風速を記入するの忘れてたわ。今サクッと測って、バレないように用紙に記入しといてくれるか?」
そう言われた俺は、ビルの影に回り込み、そっと風速計アプリを開く。
風速は2メーター。これをそのまま安全チェック表に書き加えればいいんだが、書いてる最中に見つかると面倒なことになると思ったんで、とりあえず画面をスクショすることにした。
こうしておけば、最悪未記入がバレたときでも、記録は残してあったって言い訳になるだろう。
オッサンはスマホだのアプリだのに弱い。そいや前に来たときも、こんなことしてたよな。
うん。なんかこれあれですね。調子こいて3割くらい載せちゃったかもしれませんw
まあ始まりはこんな感じです。
☆☆☆
ガラスっていうか、ロープ作業そのものがハイリスク・ローリターンじゃないですか。
最近はロープアクセスに移行する人も増えてて、窓拭きするよりは単価のいい仕事を請けてるかもしれませんが、それでもリスクに見合うリターンをもらってる人はいないと思います。
んで、これなんでかっていうと、結局はやってる行為そのものに大した価値がないからなんですよね。
ここでいう「行為」っていうのは、実際に手元で行ってることを指します。
みんな主にメンテナンスだと思うんですよ。それは清掃であったり塗装であったり、点検であったりと。
こういうメンテナンス行為そのものの付加価値が低いから、結局はローリターンに繋がるんじゃないかなって思います。
足場を組まなきゃいけないところを、ロープでアプローチすることによって、コストを抑えられる。
これはこれで素晴らしいことなんですけど、その際に相手にするのは「より安いを求める客」じゃないですか。
このへんも最終的なリターンに繋がらない原因だと思うんですよね。
なんの仕事でもいいんですが、単価を上げようと思ったら、その行為による影響力を高めないといけないと思います。
んで、メンテナンスってジャンルは、その影響力を持つことが非常に難しい。
同じようにロープをするのなら、いっそのことパフォーマンスに振り切っちゃうのもありだと思うんですよ。スカイツリーでやってるWIPE UPみたいな。
スカイツリーの新エンタメ「WIPE UP!」を体験 | ニュースウォーカー
こっちの方が多くの人に喜んでもらえますよね。人に与える影響が、こっちの方が大きいでしょう。
えー、なんか話が逸れそうだし、めっちゃ長くなりそうなんで、この辺で終わりにしておきましょう。小説を紹介するつもりが、何かあらぬ方向に進んでる気がしますしw
とにかく、小説を出しました。とある窓拭き野郎が生きる意味ってタイトルの。
100円なんで、よろしければサクッと買って読んでみてください。
P.S.
ここから、Kindleアプリを持ってない人に向けて、そのダウンロード方法を書いておきます。
Kindleっていうのは、Amazonがやってる電子書籍サービスのことですね。
たまに端末のことだと思ってる方がいらっしゃるんですが、あれはあくまでもKindle端末であって、Kindleそのものではないですよ。
これがKindle端末ですね。これを持ってなくてもKindle(電子書籍)は読めるんで、その方法をご紹介しましょう。
最初に断っておきたいんですが、これAmazonのサービスなので、Amazonアカウントを持ってない人は、そのアカウントを作らないといけません。
すでにAmazonで買い物をしてる人は大丈夫。Kindle読めますよ。
方法は簡単。スマホでKindleを検索してください。iPhoneの場合はAppStore、Androidの場合はGoogle Playですね。
そこに「Kindle」ないし「キンドル」って入力しましょう。
するとアプリが出てきます。
僕はiPhoneユーザーなので、こんな画面が出てきますね。
ここでダウンロードをすればOK。何度も書きますけど、無料なんで安心してください。
んでダウンロードをすると、最初にAmazonアカウントを入力する画面になると思うんですよ。
Amazonにログインすることになると思います。
ログインまで出来たらOK。Kindleで本を読むことが出来ます。
AmazonでKindle書籍を買うと、そのアプリにデータが飛んでくるんですよ。
アカウントで紐付けられてるんで、勝手にやってきます。
一度これに慣れると、もう紙の本よりも良くなりますよ。いつでもどこでも読めるし、本の単価より若干安いですからね。
とりあえず「とある窓拭き野郎が生きる意味」を買って読んでみましょうw