ホーリーの窓拭き日記

窓拭き会社社長による、窓拭きブログです。

あなたは誰に何を売ってますか?

 

誰に対して何を売るのか。これ、その辺の怪しい経営コンサルタントが連呼しような言葉ですが、商売、ひいてはビジネスの基本であることは間違いありません。

例えば最近そんなに見ないですけど、街の八百屋さん。この人は「その街に住む人」に「野菜」を売ってますよね。非常に明確です。

 

んで、僕は最近アプリ開発にハマってるんですけど、これも非常に明確です。「スマホを持ってる人」に「アプリ」を売ってるわけです。

まあこれ厳密に言えば全部無料モデルなので、「スマホを持ってる人」に「自分のゲームで遊んでもらうこと」を売ってると言い換えてもいいでしょう。

売上は広告から発生してるので、遊んでもらえれば収益が発生する、そういうモデルなわけです。

 

んで、ガラス屋さんなわけですよ。おかげさまでこのブログは、窓拭きのプロの方々が見てくださってるみたいなので、あえて聞きたいです。あなたは誰に何を売ってますか?

 

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ガラス屋っていうか下請け商売の人は、この定義が難しいですよね。でも、ここが明確でないと毎日何を目標に頑張ればいいのか分からなくなると思うんです。なので定義付けは非常に重要なところでしょう。

ハッキリ言いまして、最近は独立してフリーになるガラス屋さんが多いんですよ。それで人工応援をメインにしてるガラス屋さんが。

ただこういうフリーの人はあれです。「同業者」に「自分の時間」を売ってるにすぎません。ヒドイ言い方ですが、これは事実です。

 

ちょっと話が逸れるんですが、自分が独立した初期の頃に、お世話になってるクドウさんに言われたんですよ。「堀ちゃんは20歳っていう若さで独立して、みんなから仕事の声をかけてもらってるけど、それいいように使われてるだけだからな」って。

「自分で現場を請けてかない限り、使われる側から脱却できない。だからどんどん請けで現場を取ってこないとダメだよ」って言われました。

 

「こうやって話をしてる今日も、俺は堀ちゃんのことをいいように使ってる」とまで言われたんですけど、そのときに思いましたよ。この人はなんて優しいんだろうと。

これから自分でやってく若い人に、ちゃんと本当のことを伝えてくれる先輩って少ないですよね。だからこのときは、心の底から感謝しました。

そのままおだてて、いいように使った方が楽なのに、キチンと伝えてくれたことに感謝したわけです。

 

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さて、話を本題に戻しましょう。ガラス屋のあなたは、誰に何を売ってますか?

さっき人工応援メインのフリーの人は、「同業者」に「自分の時間」を売ってるだけだと言いましたけど、これも厳密に言えば違いますよ。

全然かっぱけない(ガラスが出来ない)人に仕事を頼むことはないですからね。そういう意味では「ガラスのスキル」を売ってると解釈することも出来るでしょう。

 

でも、あなたの代わりはいないんですか?あなたが応援を断った現場は、あなた抜きでは回らないんでしょうか?答えはNOですよね。99%そんなことはありません。

だから、自分の時間を売ってるにすぎないって話になるわけです。

 

いつものように上から目線で恐縮なんですが、実は僕もガラスに対しては、ここがあやふやなんですよ。

とにかくガラスが大好きで遮二無二やってきただけなんで、ここについて考えることがありませんでした。

でも、毎日の仕事でここが不明確だと、自分の努力が効率よく反映されないですよね。それに気付いてからは、そこそこ考えるようになったわけです。

 

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さっきも書きましたけど、これ下請け商売だと難しいんですよね。まず「誰に」って部分が非常に難しい。

例えば自分が5次の下請けだとします。そのときの「お客さん」は4次請けの元請けさんですか?それとも直接の発注者(例えばビルオーナー)ですか?それともその現場のオフィスビルで働く方々でしょうか?

下請けである以上、ここをスパッと決めるのは難しいですが、決めなくてはいけません。正しい方向に頑張るためには、ここが非常に重要ですから。

 

次に「何を」って部分ですが、これも当然難しいですね。

「ガラスの清掃技術」なんてもんは、素人が見ればみんな五十歩百歩なわけです。「スキル」に差なんてないんですよ。それが分かるのは同業のガラス屋だけです。

素人からすれば、綺麗にして当たり前ですからね。ここで差をつける何かを売るっていうのは非常に難しい。

あの人の仕上がりには勝てないってガラス屋さん、そうそういないでしょう。

 

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えー、このままいくと話がまとまりそうにないんで、先に自分の結論を書きましょう。

僕は「お金をくれる人」に「安心感」を売ってます。ガラスに関してはこう定義してますね。

 

さっき書いたように、過去は違いますよ。そんなこと何も考えてませんでした。んで、先のことも分かりません。でも、これを書いてる今、2017年12月1日の時点ではこう思っています。

 

ここでいう安心感ていうのは、主にガラス以外の部分ですね。連絡のレスポンス(反応)の速さとか、挨拶とか、笑顔とか、話とかですね。

いざ現場で作業をする時点では、7割方の安心感を獲得出来てるように努めています。

作業開始の時点で、商品を7割方売り終わってるってことですね。

 

まあこんなこと書くと、「お前マジか」とか「いつも酒の席で醜態晒してるじゃねーか」とか言われそうですけど、それも事実ですね。

築き上げた安心感を酒の席でぶち壊すのが、僕の得意技ですので、それは否定しませんw

 

ただ、一度みんなに聞いてみたいんですよ。誰に何を売ってるのかって。

 

20代前半までは、何も意識しなくても良くなりますよ。20代前半っていうか、かっぱき始めて数年くらいは。

でも、そこから先は、この意識の持ちようが大事になると思うんですよね。

てか独立した人にとっては、一番大事なところでしょう。ここ。

 

そんなわけで、興味があったので書いてみました。

 

あなたはガラス屋ですけど、誰に何を売ってますか?

 

P.S.

「お金をくれる人」を「お客さん」にするって意味では、会社から言われたノルマのために、客に余計なものを売り込むセールスマンもそのたぐいになりますけど、あの人たちは魂を売ってるわけです。

「お金をくれる人」に「自分の魂」を売る。別に否定はしませんけど、生き方としてダサいですよね。なんせ押し売りですから。