ホーリーの窓拭き日記

窓拭き会社社長による、窓拭きブログです。

赤い彗星

 
 
私の周りにいる、数少ない職人の一人を紹介したいと思います。
 
 
Yさんという、窓拭き職人がいます。現在の歳は40くらい、フリーランスとして仕事をしています。
 
私は基本的に、窓拭きは職人業ではなくサービス業だと思っているので、職人なんて一人もいないというスタンスです。
ですが本当に数人(二人かなw)この人は職人だなと思う人がいます。その一人がYさんです。
 
Yさんの何が凄いのかというと、とにかく仕事が速いんです。今日まで100人以上の同業者を見ましたが、あんなに速い人は見たことがないです。その辺の窓拭き屋の倍から三倍の速さがあります。シャア並みです(笑)
 
その理解不能な速さを尊敬し、同時に恐怖を覚えるため、私の中の職人の引き出しに入っていますw
 
 
私がYさんと初めて出会ったのは約10年前。まだ私が10代の頃です。私自身、窓ガラス清掃を始めて二年ほど、一番調子に乗ってる時期でしたw
 
そんな小僧の鼻っ柱をへし折ってくれたのがYさんです。
 
当時私の働いていた会社にアルバイトとして入ってきたYさん。とても陽気で感じのいい人でした。
 
だいたい窓ガラス清掃というのは、始めて二年ほどで一人前になります。私も始めて二年ほどだったので、それなりに仕事に自信を持っていました。しかも15歳からの二年だったので、大人になってからの二年より濃厚です。若気の至りも混じり「俺が一番窓拭きのセンスがある」と本気で思っていました。
 
窓拭きの腕の差は、少し一緒に仕事をすれば、すぐに分かります。並んでロープを降りれば一瞬です。
 
初めてYさんと仕事をした日、私は自信を全て失いました。それくらい圧倒的に速かったのです。また仕上がりでも負けていました。雑な仕事で速いわけではないのです。
 
同じ職場のベテランも「あんなに速い奴は見たことない」と言っているのを聞いて、少し救われた覚えがあります。
 
「この人のレベルが業界のトップレベルなんだろうな」と思った私は、その日からYさんを追いかけ始めました。
 
仕事中に暇さえあればYさんの仕事を見てました。見てすぐに真似してました。同じ道具を買ったりもしました。
 
「ホーリーはセンスがある」
多分にお世辞ですが、何度かこう言われたのが、たまらなく嬉しかったです。
 
しかしそんなYさんは一ヶ月で会社を辞めてしまったのです。
 
突然の事でびっくりしました。何よりもっと見て勉強したかったので、とても残念でした。
 
しかしそれから半年後、Yさんから電話があります。この電話が私の人生を左右することになりました。
 
「一番仲のいい仕事仲間が独立することになった。腕のいい人間を探してるから、ホーリーを紹介した。君みたいな子は外の世界に出た方がいい」
 
こんな内容でした。Yさんの紹介だったこと、給料がよかったこと、何より独立される仕事仲間KDさんの人柄が良かったので、即決しました。KDさんの独立に乗っかる事にしたのです。
 
諸事情があり、ちょうど会社を辞めていた時だったのでタイミングもベストでした。
 
これを転機に自分の世界がドンドン変わっていった事を覚えています。ずっといた会社の外に出て、人の独立に関わる事でいろんな勉強が出来ました。
 
この時から自分が独立するまで二年。おそらくYさんと出会っていなければ、私の独立はもっと遅くなっていたでしょう。
 
Yさんから学んだ技術、紹介して頂いた人、それらが今も自分のベースになっています。10代の吸収のいい時に出会えて本当に良かったと、心から思っています。
 
 
 
 
Yさん、このブログをご覧になる事はないでしょうが、この場を借りてお礼を言わせてください。ありがとうございました。
 
文章にすると、凄くいい人になりすぎてしまいました。すみません。本当は酒飲みのダメ人間だということを書き忘れましたwww
 
また今度紹介させて頂きますね(笑)
 
 
 
ではまた。