70%のその先へ
プロとして仕事をする以上、そのクオリティって非常に重要なわけですけど、これ70%の先行くの難しくないですか?
クオリティ70%。まあここまでは誰でも簡単に行けるわけですよ。言うなれば平均点なわけですから。
でも、この先に行くっていうのは、とても難しいことだと思っています。
窓拭き日記なので、話をガラスにしましょう。
僕はガラス屋としてクオリティを高めてるつもりなんですけど、あくまでも「つもり」なんですよね。常に推測の域を出ていません。
例えばAさんとBさんていう2人のガラス屋がいて、一緒にロープを降りたとしましょう。
Aさんの方が降りるのが速くて、なおかつ仕上がりも綺麗。かたやBさんは遅くて、仕上がりもグズグズ、横だれ満載だったとします。
このときにBさんのクオリティを70%だとしたら、Aさんは90%くらいいってそうですよね?
でもこれ、あくまでもプロ目線ていうか、ガラス屋目線の話だと思うんです。
実際の客目線では、2人の差は2〜3%しか開いてない、なんてこともザラにあるでしょう。
てか実はAさんは二日酔いで酒臭くて、なおかつ外見も汚らしい。Bさんは爽やかな外見で、受け答えもハキハキしてる。
なんてことだったら、2人もクオリティの差は逆転しようですよね。
Bさんが70%だったら、Aさんは40%になるケースもありそうです。
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今しがた客目線で言葉を使いましたけど、結局クオリティってものは、客に対してどうかってところじゃないですか。でも実際には同業者、なんなら会社のメンバーに対してのクオリティになってないでしょうか?
僕はこれ、ガラス屋のあるあるだと思うんですよね。クオリティが客の方向を向いてないっていうのが。
んで、客、お客さんですよ。実は前回の話は今回の話をしたくて先に書いたんですけど、お客さんが定義されてないと、クオリティの追求って出来なくないですか?
(前回の話っていうのはこれです)
俺はこんなに綺麗にしてる、だからプロだ。んでお前はこんなに汚い、だからまだアマチュアだ。なんて話を聞くこともあるんですけど、これって非常にナンセンスだと思っています。
繰り返しになりますけど、それは客、「誰に対して」って部分が定義されてないからです。
思うんですよ。例えばテナントの内側にいる人、そこで働くひとを「お客さん」と定義した場合、内側のガラスなんていうのは、若い女の子がやるのが一番クオリティが高いでしょう。
かっぱきの技術なんて全然ないですよ。てかなんなら汚いし、汚水もボタボタ垂らしてますよ。でも客受けはいいと思うんですよね。
中年の汚らしいオッサンがやるより、3倍いいですよ。クオリティ最高です。
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えー、まあまあこんな風に、クオリティを高めるのって難しいと思います。70%の先行くのは特に。
クオリティを高める方法っていうのは簡単で、とことんユーザーニーズを満たせばいいんですが、その「ユーザー」が定義されてないと難しいですよね。てか無理でしょう。
こういうのはアプリ開発の方が俄然簡単なんですよね。ユーザーにレビューを書いてもらえるんで、それを見て改善していけば、勝手にクオリティは高まっていきますから。
まあそれを継続的にやっていくのは難しいことなんですけど。。
70%の先は努力の方向性だと思っています。てかこれしかないでしょう。
P.S.
この話を思い付いたのは、ツイッターでデパートの接客が話題になってたからなんです。
簡単に言えば、デパートの接客ウザイ、だからネットで買うって話だったんですけど、これこそ努力の方向性を間違えてますよね。
自分たちが良かれと思ってやってるサービスが、実は客離れをまねいているっていう。
こういうこと、ガラス屋でも普通にありそうですよ。