惑星ベジータ
地球上で三人くらいしか興味ないであろう、「マイヒストリー」のコーナーです。
前回、前々回からの続きです。
☆☆☆
なんとか20歳で独立を果たした私ですが、そこからの三年間は結果が出ず、もがき苦しんでいました。
人工応援(他社の手伝い)には事欠かなかったのですが、なかなか自分の定期現場、請け負いの仕事は増えませんでした。
「自分ならば、すぐに定期現場を沢山取れる!」
そんな思いとは裏腹に、現状維持〜微妙に右肩上がり、な毎日が続いていました。
焦り、不安が募ります。
転機があったのは、独立して三年目の冬。
きっかけは、16〜18歳までお世話になった会社、W社のU社長からの電話でした。
「話があるんだけど、今夜会えるか?」
何の用かは分かりませんでしたが、会えると返事しました。
この日の夜のことは、今だにハッキリと覚えています。
W社は渋谷区にある清掃会社。私はこの会社で窓拭きのイロハを学びました。
辞めたあと、独立したあとも、応援で呼んで頂いたりと、一番お世話になった会社であることは間違いありません。
ただ、この頃のW社には、身売りの話が持ち上がっていました。
私より前に独立していた先輩が、W社を買うという話があったのです。
買いたいと言っていたのは計二人。どちらもW社出身の先輩方でした。
そんな話も聞いていたし、何より、今日までU社長に呼び出されたこともなかったので、「一体何の話だろうか?」と思いました。
会ったのは新宿。一緒に喫茶店に入るなり、U社長から話を切り出されます。
U社長(以下U)「実は来年の春で、引退しようと思ってる。今ウチの会社で抱えている仕事、これ全てを引き受けてくれるか?」
私「自分にですか?○○先輩が買うって話も聞いたんですけど?」
U「その話もあるが、俺は堀口に譲りたい」
私「なんでですか?」
U「ずっと頑張ってるのを見てたから」
この言葉に感動し、即答しました。
「ありがとうございます!全て引き受けさせて頂きます!」
さすがにタダというわけではありませんでしたが、破格の条件で譲り受けることに決まりました。
この後、一人で飲みに行ったのですが、気持ちが落ち着かなかったのを覚えています。
そして帰宅後。胸の奥から、気持ちが溢れてきました。
思うように上手くいかなかった三年間。焦り。葛藤。不安。見守っていてくれた社長。やっと一つの結果が出た自分。
嬉しくて嬉しくて、ただただ泣きました。
泣きました。
ひたすら泣きました。
今日まで積もった気持ちを涙で洗うような、そんな感覚でした。
仕事のことで嬉しくて泣いたのは、今日までの人生でこの一回だけです。
そして翌年の春、めでたくW社の仕事を引継ぎ、私の会社「湘南美創」は軌道に乗り始めました。
このとき23歳。
初めてフロムエーで、人の募集をしたのもこのときです。
「読む側から載せる側になったな」
そんな思いもあり、気持ちは有頂天。順風満帆な日々を過ごしていました。
しかしこの二年後、会社を急転直下の事態が襲います。
その話はまた次回にでも。
以上、「惑星ベジータ」のエントリでした。
意味不明なタイトルですみません。星シリーズで来ちゃったものですから。。。